自己理解を促すフィードバックの技術

コーチング・カウンセリング

こんにちは、ツシマユウキです!

今回は「フィードバックの技術」について、コーチングや対人支援においてとても大切なお話をしていきます。


ティーチングとコーチングの違い、ちゃんと理解していますか?

「ティーチング」とは、知識や技術を教える指導法のこと。受ける側は「覚える・学ぶ・習得する」というスタンスになります。

一方で「コーチング」は、対話を通じて本人に気づきを得てもらう支援方法。受け手は「気づく・考える・答えを見つける」姿勢が求められます。

ここで大切なのは、受け身か、主体的か、という姿勢の違いです。そして、その使い分けが非常に重要なんです。


コーチングの“つもり”が、実はティーチングになっていないか?

ビジネスシーンでも「1on1ミーティング」など、対話を重視する文化が徐々に根付きつつありますが、その中で「コーチングしているつもり」になってしまっているケースが少なくありません。

特に残念なのは、プロのコーチを名乗っているのに、クライアントに自分の考えを押し付けてしまっているケース。

なぜそんなことが起きてしまうのか?
私は、その原因は「フィードバックの技術」にあると考えています。


傾聴の再確認:事実と解釈、そして感情を聴き分ける

以前の「傾聴再入門」動画でもお話ししましたが、傾聴とは、相手の経験を追体験し、その人が見ている世界を共有・共感する行為です。

ここでいう「経験」とは、

  • 出来事という【事実】
  • その出来事に対する【解釈】と【感情】

です。

大切なのは、「事実」と「解釈」は違うということ。
事実は誰にとっても同じですが、解釈はその人の価値観や認知バイアスによって変わります。そしてその解釈が、感情を生むのです。

つまり、傾聴においては相手の「事実」と「解釈」、そしてそこから生まれた「感情」を、分けて丁寧に聴いていく必要があります。


傾聴とフィードバックの間にある、もう一段階深い対話

「傾聴は自分の意見を言ってはいけない」と教わった方も多いかもしれません。ですが、それは誤解です。

本当に大切なのは、
相手の解釈と感情を理解したうえで、自分自身の解釈や感情との違いに気づき、それを“対話”に活かすこと。

自分の感覚を伝えることで、相手は「当たり前」だと思っていた世界に“気づき”を得るきっかけを持てるようになります。

たとえば、あなたがこんなふうに言うことで、

「私はその状況だと、こういうふうに感じたかもしれません」

相手は、自分と異なる感覚があることに気づき、思考が深まっていきます。


フィードバックは自己探求を促す“トリガー”になる

フィードバックは、単に「指摘」や「助言」をするものではありません。
それは、相手の“価値観”や“固定観念”、“認知バイアス”といった深い部分に気づきをもたらす、非常に強力な手段なんです。

ここから対話は一段階深まり、以下のような問いかけが可能になります。

  • なぜそのように感じたのか?
  • どんな価値観がその考え方を支えているのか?
  • それはいつから?どんな経験が影響しているのか?

こうした問いが、自己理解を深め、無意識だったものを言語化し、行動変容につながっていきます。


すべての人が自己探求のプロではない

コーチングやカウンセリングを受け慣れているクライアントは、質問だけで自己内省を進めていくことができます。

でも、多くの人はそこまで慣れていません。だからこそ、フィードバックの力が必要なんです。

フィードバックは、自己理解の“架け橋”になりえます。
だからこそ、慎重に、丁寧に扱う必要があります。


フィードバックの注意点:最低限押さえたい3つのポイント

1. 必ず許可をとる

フィードバックの前に「言ってもいいですか?」という一言を忘れずに。
対話の主導権は相手にあります。これは信頼関係を守るための基本です。

2. 「Iメッセージ」で伝える

Iメッセージとは、自分の主観や感情に基づいた伝え方です。

たとえば:

  • ❌「あなたは間違ってる」(Youメッセージ)
  • ✅「私はこう感じたかもしれません」(Iメッセージ)

主語が“私”になるだけで、相手に判断や押し付けを与えることなく、対話が深まります。

3. 対話の主役は相手であることを忘れない

フィードバックはあなたの意見を伝えるための場ではありません。
“気づきを促すための補助線”です。

自分の意見は、あくまで“そっと横に置く”感覚で。
押しつけず、並べて見比べられるようにすることが大切です。


まとめ:フィードバックは、信頼と探求をつなぐ架け橋

「伝える」ことと「気づかせる」ことはまったく異なります。

コーチングや1on1の場では、相手の内面を尊重しながら、対話の質を高めていくことが求められます。

そのためには、傾聴とフィードバックのバランスを大切にしましょう。
そして、相手の“無意識”を“意識化”するお手伝いができるような、そんな対話の在り方を目指していきたいですね。


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それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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