【保存版】部下や子どもが「勝手に伸びる」
最新脳科学で読み解くモチベーションの正体
なぜ「やる気を引き出そう」とすると失敗するのか
こんにちは、ツシマユウキです。
職場で部下や後輩に対して
「もっと主体的に動いてほしい」
「言われなくても考えて行動してほしい」
そう思ったことはありませんか。
家庭や教育の現場でも同じです。
・宿題をなかなかやらない
・集中力が続かない
・できるはずなのに、すぐに諦めてしまう
このような悩みは、大人・子どもを問わず共通しています。
さらに言えば、他人だけでなく「自分自身のやる気」に悩んだ経験がない人はいないでしょう。
本記事では、
心理学と脳科学の知見、そして実務・教育現場での経験をもとに、
- なぜモチベーションが続かないのか
- なぜ「褒める」「評価する」だけでは逆効果になるのか
- どうすれば「やらされる」から「やりたい」に変わるのか
を、体系的に解説していきます。
私が「動機づけ」を研究し続けてきた理由
少し自己紹介をさせてください。
私は2011年、東日本大震災の頃に中小企業診断士として活動を始めました。
社会全体が沈み込み、消極的になっていた時代です。
その中で、
社会心理学・組織心理学を軸に「人のやる気」をどう取り戻すか
というテーマに向き合ってきました。
2019年にはキャリアコンサルタント(国家資格)を取得し、
個人の内面により深く寄り添う支援を行うようになります。
実務では、
・1000人規模企業での組織風土改革
・全社的なモチベーション向上プロジェクトの立ち上げ
・社員が自ら挑戦する文化づくり
教育分野では、
・知的障がい・発達障がいを持つ子どもたちへの学習支援
・コーチングを用いた自己肯定感・主体性の育成
・中学校での特別授業
などに携わってきました。
共通して確信したことがあります。
本当に人を動かすのは、外からの刺激ではなく、内側から生まれる力だ
外発的動機づけと内発的動機づけ
まずは基本的な整理から始めましょう。
外発的動機づけとは何か
外発的動機づけとは、
報酬・評価・罰など、外部からの刺激によって行動を促す方法です。
- お金がもらえるから働く
- テストで良い点を取ったらご褒美
- 怒られるのが嫌だから宿題をやる
これらはすべて外発的動機づけです。
短期的には非常に効果があります。
内発的動機づけとは何か
一方、内発的動機づけとは、
興味・関心・成長欲求・達成感など、自分の内側から湧き上がる動機です。
- 面白いから調べたくなる
- できるようになるのが嬉しい
- 挑戦している自分が好き
心理学の研究では、内発的動機づけには次の特徴があることが分かっています。
- 行動が長続きする
- 学習効果が高い
- 幸福感と結びつきやすい
では、なぜ外発的動機づけは長続きしないのでしょうか。
外発的動機づけが続かない「脳科学的理由」
鍵となるのは、ドーパミンです。
報酬や評価を受けると、脳内でドーパミンが分泌されます。
ドーパミンは「快楽物質」と言われがちですが、正確には
「報酬が得られるかもしれない」という期待を生む物質
です。
最初は効果抜群です。
しかし、脳はすぐに学習します。
「どうせまたもらえる」
「このくらいは当然」
こうして期待予測が固定化されると、ドーパミンは出にくくなります。
さらに、報酬が得られなかった場合、期待予測はマイナスに転じ、
やる気は一気に低下します。
これが、
「褒めないと動かない」
「報酬がないとやらない」
状態が生まれる正体です。
内発的動機づけが生まれる脳の仕組み
ここからが本題です。
内発的動機づけには、
前頭前野と**デフォルトモードネットワーク(DMN)**が深く関わります。
分かりやすくするために、
前頭前野を「ゼント君」、
DMNを「フォルト君」と呼びます。
ゼント君(前頭前野)
- 計画を立てる
- 意味づけをする
- 自己決定・自己評価を行う
「これは自分にとって意味がある」と感じたとき、
ゼント君は活発に働きます。
フォルト君(DMN)
- ぼーっとしているときに働く
- 過去を振り返る
- 未来を想像する
- 自分の気持ちを整理する
アイデアが突然浮かぶのは、フォルト君の仕事です。
この2人は、
**「自己決定」と「自己評価」**がセットで働いたとき、
強力な内発的動機づけを生み出します。
内発的動機づけの核心は「自己決定」と「自己評価」
重要なポイントを整理します。
内発的動機づけが生まれる条件は、
- これは「自分がやる」と決めた(自己決定)
- 行動の結果を自分の基準で振り返る(自己評価)
この2つが揃うことです。
他人からやらされた行動では、
自己評価が機能しません。
評価基準が外にあるからです。
部下・後輩の内発的動機づけを高める方法(大人編)
多くの人が勘違いしているのは、
「選択肢を与えればいい」
「とにかく褒めればいい」
という発想です。
本質はそこではありません。
必要なのは、次の4つです。
- 心理的安全性のある関係性(ラポール)
- 課題の共有
- 理想の共有
- 本人が「何ができるか」を見つける
特に重要なのは①です。
嫌われている上司が、どんな手法を使っても内発的動機づけは起きません。
また④については、②③が明確であれば自然と見えてきます。
人は「空白」が見えれば、必ず埋めようとします。
その方法を否定しないこと。
それが自己決定を守ることにつながります。
子どもの内発的動機づけを育てる関わり方
子どもは、
自己評価の基準がまだ育っていない存在です。
だからこそ重要なのは、
できたことを「言葉にする/言葉にさせる」
教育現場では、
「何ができるようになった?」
「どこが一番面白かった?」
家庭では、
「さっきの工夫、良かったね」
「前よりできるようになったね」
評価ではなく、
一緒に振り返る姿勢が重要です。
これが繰り返されることで、
子どもの中に価値基準が育ち、
内発的動機づけが根付いていきます。
まとめ:やる気は「引き出すもの」ではない
本記事の結論はシンプルです。
- 外発的動機づけは短期的
- 内発的動機づけは持続的
- 内発的動機づけの鍵は「自己決定」と「自己評価」
人は、
コントロールされた瞬間に、主体性を失います。
逆に、
自分で決め、振り返れる環境があれば、
人は勝手に伸びていきます。
ぜひ、明日からの関わり方に取り入れてみてください。
